びわころネット

こころの大学
(医療知識の共有)

精神科医からの視点:医療資源が非常に少ないというところで、それを適切にやっていただ
きたいというポイントはある。ただ、こうした場でお話をさせていただいて気づくのは、重症度で
スクリーニングを分けようとされる方がすごく多いということである。実は疾患が治るか治らない
かというのは重症度ではない。そのあとの予後は重症度とはあまり関係なく、発症してから治療
につながるまでの期間の長さである。統合失調症でも、気分障害も、不安障害でもほとんどす
べての疾患においてそれはもう実証されていて、「重症度ではなく発症から受診までの時間の
長さが結局そのあとの治療予後を決める。」と言われている。
そこで、ひとつ疑問に感じたのは、連携を取る際の判断基準と言える県内で一括した見解
が果たして存在するのだろうか。また、医療につなぐという視点でいうならば、医療側が医学的
知識に基づいてまとめたものを作り、それをみなさんに流布してして。その機会として例えば年
に1回の講習会とか企画で、きると思うが、現状はそれで十分だとは思えない。具体的にそのあ
たりを補う策を考えることは非常に重要になってくると思われる。

滋賀県   滋賀医科大学 精神医学講座
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